鎌田華乃子 Kanoko Kamata
特定非営利活動法人コミュニティ・オーガナイジング・ジャパン理事/共同創設者
神奈川県横浜市生まれ。子どもの頃から社会・環境問題に関心があったが、11年間の会社員生活の中で人々の生活を良くするためには市民社会が重要であることを痛感しハーバード大学ケネディスクールに留学しMaster in Public Administration(行政学修士)のプログラムを修了。卒業後ニューヨークにあるコミュニティ・オーガナイジング(CO)を実践する地域組織にて市民参加のさまざまな形を現場で学んだ後、2013年9月に帰国。特定非営利活動法人コミュニティ・オーガナイジング・ジャパン(COJ)を2014年1月に仲間達と立ち上げ、ワークショップやコーチングを通じて、COの実践を広める活動を全国で行っている。ジェンダー・性暴力防止の運動にも携わる。現在ピッツバーグ大学社会学部博士課程にて社会運動に人々がなぜ参加しないのか、何が参加を促すか研究を行っている。
私のストーリー
私は人々の声が政治や社会に届く社会、普段政治に関わらない人たちが、自分たちの社会は自分たちで作れる、と感じられる社会をつくりたいと思って活動しています。
なぜ、そう思うのか。その原点は幼い頃にあります。私は小学校に入ったばかりの頃、勉強に追いつくのもやっとで、かけっこもいつもビリでした。新しい土地に引っ越してきたばかり、母も病気がち、小さな弟がいて、父が仕事で不在がちななか、自分がしっかりしなくちゃと思いつつも、学校で自信が持てるものも少なく。そんな中、木登りは他の運動神経がよく、勉強ができる子よりできました。近所にある雑木林のような公園に毎日言っては、一番大きな木に登って誰よりも高い所に早くいけて、誇らしい気分でした。いつも私を温かく受け入れてくれる木が大好きでした。
しかし、小学校2年生のとき、公園が開発のために工事されました。「立ち入り禁止」の看板をみつめ不安な気持ちで工事が終わるのをまっていました。工事終わって一目散に行ってみると、そこには私が大好きだった木の切り株しかなかったのです。言いようのない悲しみ、と共に思ったのは「なぜ毎日使っている子どもたちの声を聞かないで勝手に大人たちは変えたのだろう」。それ以来、環境や社会を守る仕事に就きたいと思うようになりました。
大人になり、環境コンサルティングの仕事をし始めて、日本の立法過程を調べたり、諸外国と比べると「子どもだから意見が聞かれない」のではなく、日本が私達の声を聞かない社会制度になっていると気づきました。市民参加を学ぼうと留学した先で出会ったのが、コミュニティオーガナイジングでした。仲間と共に、その輪をひろげ、共に行動して社会を変える。
今これを読んでくださっている、みなさんの力がよりよい社会のために大切です。あなたの想いが、小さな行動が力になります。共に歩んでいきましょう。